京都おいけ 田中カウンセリングルーム

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テンメイ・かうんせらー日記ベスト選

■2006/03/10 (金) 昨日の続編。

心理カウンセラーのテンメイです。

昨日の日記、一見、人情味あるお話に聞こえたでしょう。
実は、その後コンビニ店長と小学生の間には、困ったことが
起きてしまいました。

お話の続きです。

店長は、親切心からお弁当を少年に渡してしまいました。
少年は、最初は感激し、とっても嬉しそうでした。
店長自身も、満足感を感じたようでした。

でも、1週間も続くと、店長もこれはマズイと思い始めます。
少年は、タダでお弁当をもらえるのが普通のことのように
思ってきました。

店員からは「店長、こんなこと辞めましょう」と言われます。

さて、皆さんが店長ならどうしますか?
コレ、カウンセリングの世界でもある話です。
専門用語では、少年からの「依存」といいます。
少年は、店長に頼りきっています。
タダでお弁当をもらうことが、当たり前のように考え始めています。

カウンセリングで、カウンセラーが「答え」を出さないのは、
このようなコトが起りうるのを知っているからなのです。
カウンセラーは、カウンセリング中は「共感」します。
相手の気持ちになって「同情」もします。
ただし、カウンセリング中、と言う条件を持ってです。

相手に合わす気持ちや同情は、誰にでもできるかもしれませんが、
カウンセラーは、ここに客観的視点が必要なんです。
背景分析や気持ちをキャッチする能力、センスが問われます。
例えるなら、相談者にあった、もう一人の専任担当カウンセラーを、
自分の中で創り出す必要があると言った方が理解しやすいかも
しれません。で、一緒になって考える。相談者自身が、方向や
答えを見つけ出せるようにカウンセリングを進める。

お話、難しいですか?
ゴメンナサイ。
元に戻します。

店長は、ある夜、少年とお話しをしました。お弁当をあげるのは、
無理になったこと。ルールのこと。自分で考えること、などを。
そして、知り合いの新聞配達店で、お手伝いをする気はないか?
と聞きました。少年は考え、店長にお願いしました。
50軒だけの配達です。

1ヵ月後、バイト代を持った少年と、病気が回復したお母さんが
コンビニに来ました。
「店長、お弁当、ふたつください!」
少年の元気な声と笑顔。
店長は思わず、少年と自分自身に言いました。
「ありがとうございます!」

なんか、ヨカッタですね。


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